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「自分の声が好きじゃない」は、どこから来るんだろう?|1DAYボイスリメンバーで見えてきたこと

先日、「1DAY ボイスリメンバー」を行いました。

今回来てくださったのはAさん。


約5時間、休憩を入れながら、声、呼吸、身体、歌、そして「自分の声をどう感じているのか」ということまで、ゆっくり向き合っていきました。

♪毎日しているのに、意外と知らない「呼吸と声」

最初に聞いたのは、とてもシンプルなことでした。


「今まで、声について何かやったことはありますか?」

Aさんは、ヨガや気功、太極拳などを経験したことはあるそうです。


ただ、よく振り返ってみると、「呼吸そのものを意識して練習した」という経験は、意外と少なかったとのこと。

これは珍しいことではありません。


私たちは毎日、何万回も呼吸をしています。


そして毎日、当たり前のように声を使っています。

でも、


「私はどうやって息をしているんだろう」

「私の声は、どこから出ているんだろう」

と改めて観察する機会は、案外ありません。

♪「自分の声って、なんとなく嫌だな」

さらに話を進めていく中で、Aさんからこんな言葉が出ました。


「自分の声って、なんとなく嫌だなって思うじゃないですか」

これも、とてもよく聞く言葉です。


録音された自分の声を初めて聞いた時、

「え? 私ってこんな声なの?」

と思った経験のある方は多いと思います。



自分が身体の中から聞いている声と、録音されて外側から聞く声は、印象が違います。


だから最初は違和感があります。

♪他人には「いい声」と聞こえていた

でも、Aさんには面白い経験がありました。

以前、ラジオに出演した時のこと。


その時、声を聞いた方から、

「いい声ですね」

と言われたそうなのです。


しかもかなり褒めてもらったらしい。

ところがAさん自身は、


「え? どこが?」


と思ったそうです。

嬉しくないわけではありません。


ちょっと嬉しい。

でも、納得できない。


「そんなはずはない」


という感じが残る。


この話が、とても興味深かったんです。

♪なぜ「いい声ですね」は、こんなに照れくさいのか

たとえば、


「その服かわいいですね」


と言われたら、


「そうでしょう?」


と比較的素直に受け取れるかもしれません。

髪型を褒められても、アクセサリーを褒められても、そこまで強い抵抗は出ないでしょう。

でも、


「いい声ですね」


と言われると、妙に照れくさい。


なんだか、こそばゆい。

素直に、


「ありがとうございます。私、いい声なんです」


とは言いにくい。

どうしてなんでしょう。


話しながら、私はこんなことを考えていました。


♪声は「持ち物」ではなく、自分そのものに近い

声というのは、持ち物とは少し違うんですよね。

服は着替えられます。


髪型も変えられます。


アクセサリーも取り替えられます。

でも声は、ずっと自分と一緒にあります。

笑う時にも出る。

怒った時にも出る。

悲しい時にも出る。

人を励ます時にも出る。

電話にも出る。

歌にも出る。

しかも、自分の気持ちや体調まで勝手に表してしまいます。


元気がなければ、元気のない声になる。

緊張していれば、緊張した声になる。


嬉しければ、何も説明しなくても声が少し明るくなる。

つまり声は、「自分そのもの」にかなり近いものなのかもしれません。

だから声を褒められると、


単に能力を褒められたというより、


「あなたそのものがいいですね」


と言われたような感覚になってしまう。

それで照れる。

それで疑う。


それで、


「いやいや、そんなことないですよ」


と言いたくなる。

♪自分の評価だけが「事実」とは限らない

でもここに、「自分の声を思い出す」ための大切な入口があるように私は思います。

Aさんの場合、実際にAさんの声を聞いて、


「いい声だ」


と感じた人が過去にいた。

これは事実です。

ところが本人だけが、それを採用していない。

他人から受け取った評価を全部信じればいい、という話ではありません。


人の評価に依存してほしいわけでもありません。

でも、


「私は自分の声をこう思っている」


という自己評価もまた、絶対的な事実ではないんですよね。

自分では欠点だと思っていたものを、誰かは魅力として聞いているかもしれない。


自分では普通だと思っている話し方に、誰かは安心しているかもしれない。

自分では嫌いだった少し低い声や、かすれや、独特の響きを、


「その声だから好き」


と思う人がいるかもしれない。

♪そもそも「いい声」って、どんな声?

声は、テストの点数のように一つの数字では測れません。

だからこそ、


「いい声とは何ですか?」


という問いも大切になります。

高い声でしょうか。

よく響く声でしょうか。

大きな声でしょうか。

滑舌のいい声でしょうか。

もちろん、それらも声の一要素です。

でも私は、「その人が無理をせず、その人の身体から自然に鳴っている声」も、とても大切だと思っています。

誰かの声に似せるのではなく、


「これが自分の声なのか」


と身体で分かる瞬間。

その時に初めて、

声を上手い・下手、好き・嫌いだけで判断しなくなっていきます。



♪声を変える前に、まず「声に会ってみる」

だからボイスリメンバーでは、

いきなり「もっといい声にしましょう」とは考えません。

今、どんな呼吸をしているのか。

どこが緊張しているのか。

声を出す時に、身体で何が起きているのか。

そして、

自分は自分の声をどう思っているのか。

そんな現在地から始めます。

声を変える前に、


まず声に会ってみる。

そこからです。

Aさんとの1DAY ボイスリメンバーも、まさにそこから始まりました。

♪ずっと直そうとしていた声の中に、魅力があるかもしれない

「いい声にならなきゃ」


ではなく、


「私の声って、本当はどんな声なんだろう?」

そんな好奇心を持って声に触れてみる。

もしかすると、

ずっと直そうとしていたその声の中に、


まだ自分が気づいていない魅力が、すでにあるのかもしれません。

自分の声は、どこかへなくなってしまったわけではありません。


今日もずっと、自分と一緒にいます。

だからまずは、

その声を少しだけ、評価せずに聞いてみる。

そこから「ボイスリメンバー=声を思い出す旅」は始まるのだと思います。 ♪ボイスリメンバー(旧ボイトレ)島

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