腹式呼吸は吐きすぎない
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腹式呼吸は吐きすぎない

更新日:4月12日

※このブログで紹介しているメソッドは基本的に尾飛良幸オリジナルです。


こんにちは。ボーカルトレーナー/作曲家/シンガーソングライターの尾飛良幸です。

今日は発声法での「息の吐き方」でもその中での悪い癖のお話です。


腹式呼吸の練習において「しっかり全部の息を吐き切る」という指導をする場合があります。

一般的に私たちは、肺活量全体から見るとかなり浅い呼吸をしています。そのため呼吸を司る「横隔膜」も、ほとんど動いてないと言っても過言ではありません。


腹式呼吸は「横隔膜」が下がることにより、内臓を上から圧迫し、それにより内臓がウエスト周りに張り出してくる体の動きをします。

つまり、横隔膜が動くことが必須になります。


ただ単に空気を大きく使うだけなら「大きく深呼吸をしてください」という話になりますが、その場合は横隔膜が下がるよりも、肋骨の間にあり肋骨を引き上げるために機能する「肋間筋」を使うだけになってしまいます。それだと横隔膜を効果的に使うことができません。


深呼吸をしている女性



そのため腹式呼吸の練習では、まずは「横隔膜」をしっかり動かすために「息を全部吐き切ること」で、横隔膜を下から上に押し上げる動作をさせます。そうすることで、次に息を吸う始めると、押し上げられた横隔膜が自然と下に下がり、内臓を上から圧迫し腹式呼吸特有の「お腹周りが膨らむ」という動きになります。



ただここで大事なのは、この「しっかり全部の息を吐き切る」のは、まだ腹式呼吸の練習の初期段階の方が行うということです。腹式呼吸の練習が上手にできてきた人には「まず肺全体に息を大きく取り込み、そこから腹式呼吸の息だけを、しっかり全部吐き切ってください」というのが正しいです。



まず初めは、息を肺全体に取り込む「全肺呼吸」がしっかりできるようにすることが大事です。なので吸気の練習では「もう一息吸い込む」ことが必要になります。そしてしっかり肺全体に空気を取り込めるようにしてから、肺の深い位置に入っている空気だけで呼吸することが「腹式呼吸」です。



腹式呼吸はあくまでも「肺の深い位置に入っている空気だけでする呼吸」です。ですので「しっかり全部の息を吐き切る」ようにすると、今度は肺の上の方(浅い位置)の空気まで吐いてしまうことになります。これは「胸式呼吸」の位置の空気です。


肺の呼吸エリア図


つまり「全部吐き切る」と、胸式呼吸の空気まで使ってしまうことになり、次に息を吸い込む時には、同時に胸式呼吸もしてしまうことになり、これでは体がこわばり喉が閉まってしまいます。ですから、全肺呼吸で息を吸った後、息を吐く時は「肺の深い位置に入っている空気」つまり全肺呼吸の「下半分」の呼吸だけ吐くようにしないといけません。


目安としては、吐いている時にお腹が凹んでいきますが、その動きが止まった時点で「肺の深い位置に入っている空気」を全部吐き切ったことになります。

まだその時は「肺の上の方」には空気が入っていますから「まだ、もっと吐けるんだけどなあ」と感じます。でもその「肺の上の方」に入っている息まで吐いてしまうと、胸式呼吸になってしまいます。なので、例えまだ吐ける息があっても、お腹が止まったらそこで「呼気」は終了、ということです。



例えるならば、肺全体を「銀行口座」とイメージしてみてください。肺の上半分は「定期貯金」。下半分が「普通預金」。腹式呼吸では定期預金の空気は動かさず、肺の下側の「普通預金」の空気を出し入れするというわけです。


腹式呼吸で歌を歌う場合は、息を吐き切らず、常に肺には全肺呼吸の上半分の息が肺に留まっていることを意識してみましょう。




 

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