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執筆者の写真尾飛良幸DMT

体を共鳴させるために大事なこと

更新日:2022年4月24日

※このブログで紹介しているメソッドは基本的に尾飛良幸オリジナルです。


今日は、音楽と歌の話をしようと思います。


私が、レッスンをずっとしてきた中で、気がついたことの1つに「適正声量」「適正音量」っていうのがあります。


例えば、ギターを始めて弾いた人、あるいはピアノを始めて弾いた人のほとんどの人が、恐る恐る楽器を弾きますから、その弾いてる手に力があまり入ってないんですね。

なので、端から見ているとまるで「撫でるよう」に楽器を演奏していることが、とても多いです。


ギターで言えば、右手にピックを持って弦を弾きますけど、そのときの指にはほとんど力が入ってないと思います。もちろんそれは、初めてですから当然ですよね。

これが、初級者から中級者になってくると、徐々に右手にもしっかり力が入って、ギターの本来の音が出てくるようになります。



ピアノも同じで、ピアニストが軽やかに弾いてるように見えていても、鍵盤を指で叩く力はかなりしっかりした強さで、弾いています。やっぱり、そのぐらいしっかり鍵盤を押し込んであげないと、ピアノ本来の音が出ないんですね。


グランドピアノなんかは、あの大きいボディに音が共鳴しますから、それ相応の音量とエネルギーがないとあのボディーは振動しないんです。


ですから、外から見てる印象よりも、かなりしっかり力強く演奏しています。


そうやって、楽器自体がしっかりそのボディーに音を共鳴させて、楽器本来の響きが出てくる音量の事を私は「適正音量」と言ってます。

この「適正音量」は初心者と比べると、上級者はかなりしっかりと強く大きな音量になってますね。


これは、歌でも同じことが言えます。


シンガーが、軽やかに歌ってるように見えたとしても、実はかなり声量は、出してるんですね。そうしてあげることで、体に声が響き渡ることになります。


声は、体の骨を通じて全身に響き渡ります。骨の周りには、筋肉が被っていますので、かなりしっかり骨が振動してくれないと、骨自体が共鳴しないと言うことになりますよね。


なのでやはり、体を共鳴させるにはある程度「適正音量」をしっかり出してあげないと、響かないと言うことになります。




ここで1つ、最近の例外があるなと思っています。


それは「マイクに頼って歌う歌い方をしているシンガー」です。

どういうことかって言うと、体が声に響かなくても、口の前に出てくる音だけが良ければ、マイクがきれいに音を拾ってくれますので、マイクに頼って歌う歌い方をしている人は、私が見てる限り「適正声量」に達してない人がほとんどです。


そういうシンガーは「聞いた感じ」ダメなのかと言うと、そんなことはなく、レコーディングした音源を聴くと、非常に上手にとても良い雰囲気で歌ってることも多いですね。


それなら「適正声量」を出して、体に響かする必要はないんじゃないか、と言うことを感じる方もいると思います。


でも問題は、ライブの時に起こります。



ライブの時は、相当大きな音がスピーカーから出ます。

生のバンドが入ってたりすると、バンドはとても大きい音を鳴らします。

そして、楽器はそれぞれしっかりと、そのボディーに音を共鳴させていますので、非常に豊かな響きで、音が奏でられていますよね。


そこに、体が共鳴しない状態で歌うシンガーが、一緒にステージに上がった場合、バンドの響きや迫力、音量に、勝つことができません。

なので、音響PAさんはマイクのボリュームを、かなり上げる必要があります。

そうなると当然「ハウリング」と言う現象が起こってしまいますので、マイクのボリュームを上げるには、ある程度限界がありますよね。


結果、音響PAさんから「もうちょっと、ボーカル大きくお願いします!」と言う指示が、出てしまうこともあります。

そうすると、これまで小さな声でレコーディングだけをしてきたシンガーは、いきなり大きな声を出して歌わないといけない、と言う現実に直面します。

そうすると、ライブの後半で声が出なくなったり、喉が痛くなったりと、様々な問題が起こってきます。




「大は小を兼ねる」のように、大きく豊かで響きのしっかりしたシンガーが、あえて小さく出すのは、とても良いと思いますが、その逆はなかなか歌手として活動していくには、厳しい現実が待っていると私は思います。

なので、ぜひ「適正声量」まで音量上げて、発声練習をしてみることを、心がけてみていただきたいと思っています。

「適正声量」が出るようになれば、その後は自然に体に声が響きますので、声は逆に非常に楽に出るようになります。

それは、繰り返しやっていくうちに「体感」していくことができるので、ぜひ地道に練習をしてみてくださいね。


 

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