「薔薇は美しく散る」歌動画制作記録その2(ミックスダウン)
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「薔薇は美しく散る」歌動画制作記録その2(ミックスダウン)

更新日:2022年1月17日

先日YouTubeにアップしました、藤野櫻子が歌う「薔薇は美しく散る」が、どんな工程で作られたかを、記録として2回に分けてブログに書いています。


完成した動画はこちらです。



前回のブログは「カラオケづくり」でしたね。


今日は「ミックスダウン&マスタリング」です。


作業は次の通り

1:カラオケづくり←前のブログ

2:歌の録音←終了しました

3:ミックスダウン&マスタリング←今日はこちら

4:動画編集&動画アップ


さて「ミックスダウン&マスタリング」作業開始!

 

まずは、藤野櫻子の歌の録音が終了しました。

録音はいつもより短く、コーラス込みで2時間弱でしたね。


歌の録音とミックスダウンは、昔から慣れ親しんだ「Digital Performa」でやってます。

こちらが録音終わったデータ。

ボーカル1本。サビのダブルが1本。ハモリは1声ですが、サビのメインがダブルだから、ハモリもダブル。

計4トラック。


この時↓↓とか、ものすごい量のボーカルトラック数だったから、今回は驚くほど少なく感じますね。



 

アレンジで使っているpropeller head「reason」に移動して、アレンジデータを書き出します


まずはストリングスを良い音源に差し替えて書き出し。

・第1バイオリン

・第2バイオリン

・ビオラ

・チェロ

・コントラバス

と1本ずつ書き出しますが、スタッカートや駆け上がりの短い音符は、音量が小さくなるので、一つ一つ確認しながら、音量を全て揃える作業をしてからの書き出し。

これも2時間くらいかかったかな。

現在17時50分



 

続いてドラム。これもリアルなドラム音源に全て差し替え。

MIDIデータを作り替えるので、意外と手間がかかります。

歌ってみた動画の場合、フルミックスダウンまでは手間をかけてないので、ドラムは

・バスドラ

・スネア

・ハット&オーバーヘッド

・タム&ルーム

の4つのステムデータで、書き出しています。


今18時40分


さて合わせてベースも差し替えて書き出し。

最近はすっかりこの「Rickenbacker」がお気に入り。

今回はアンプのプリセットは「The Raven」を使用。 最近は、ステレオになってるベースを使うようにあえてしてます。

その方が、自分的にはスケール感が大きくて好き。





全ての書き出し終了

19時20分


全部で25トラックありましたね。

つまり25個の楽器が演奏に参加していると言うことです。


 

さあ、これをまた「Digital Performa」に読み込んでいきましょう。

propeller head「reason」でもミックスダウンはできるのですが、ソフトが重くて動かなくなってしまうのと、ミックスダウンにおける画面の操作性が「Digital Performa」の方が私的にはとてもやりやすいんです。


アレンジは「reason」は、抜群です。


はい。読み込み開始。

ここが時間がかかる!

なので、今からちょっと休憩とデスクワークタイムです。


 

さて再開!と思ったところで残念なことに気づきました。

歌を録音するときにキーを1つあげていたのです。

なので、打楽器以外は、もう一度全部書き出し直し。。。。。


がっかりしてもしょうがないので、仕切り直していきましょう。

もう1回書き出してるから、今度は作業が早く進みました。


今23時。 そろそろまたクラブハウス「ゆりかごの歌クラブ」の時間ですね。

その前に、なんとかキーを上げたデータの読み込みが終わりました。

写真はただ並べただけ。 これから楽器ごとに、作業しやすいように整理していきます。


 

はい、きれいになりました。


・ドラム

・ベース

・上物楽器

・ストリングス

の4つのパートにまとめて、それらを「Inst mix」と言う1つのチャンネルにまとめました。

これでようやくミックスダウンの作業が始められますね。

ここまでで、半日使っちゃったよ!汗

では、そろそろ「ゆりかごの歌クラブ」に行ってきますね


 

はい。戻ってきて作業再開

0時35分。 今夜中に諸々作業を終わらせるぞ!


そしてまずは、何も全くいじってない状態の音源がこちら↓↓。

ここからがミックスダウンのスタートです。

音源がモノラル音源になっているので、ちょっと音が徐々によくなる感じがわかりづらいと思いますが「こんな感じで進めてるんですねえ」と言う様子だけでも伝わったらいいなと思っています。




 

全てのリズムをノリ良くなるように揃えて、さらに全体の音量の調整をしたもの。

音源がモノラルだから、ちょっとわかりづらいですが、歌が伴奏と良いアンサンブルになってきている、と感じる方もいるのではないでしょうか。


まだこの段階では、エコーもイコライザーもコンプレッサーなどのプラグインは、ほぼかけてません。いわゆるラフミックスという段階。

ここで、プラグインに頼らず、いかに良い状態まで持っていけるか。というのが、最終的な仕上がりの良さにつながるのだな、というのが最近の私の考えです。


料理で言えば、ギリギリまで調味料は使わないで、素材の美味しさだけで料理するか。という感じでしょうか。


 

2時40分

ある程度音がまとまってきたが、ここで「エレキギター入れたい」とふと思ったので、またpropeller head「reason」に戻りギターのレコーディング


 


そして、ギター音源をまた「Digital Performa」に読み込み、再度ミックスダウン微調整。

ここから、ようやくプラグインを使います。

まずはドラムから

バスドラ、スネア、タムにイコライザーとコンプレッサーをかけて、全体に迫力を出します。

そこに音量を合わせながら、他のパーカッションも追加し、それらドラム全体を、ひとつのトラックにまとめます。

そのまとめたところに、またイコライザーとコンプレッサーなどをかけて、音を揃えました。



ドラムが揃ったところで、次はベースね。

ここでいつもやるのが、ドラムのバスドラの音を、ベースのコンプレッサーに送ってあげるということ(サイドチェーンでね)


それによって、バスドラが「ドン!」となると、その瞬間だけ、ベースの音が小さくなり、低音を譲り合うことになります。

これをしておくと、バスドラの音量を上げても、ベースの低音と喧嘩しないから、低音全体がスッキリ!


同様に今度は、ドラム全体の音を、上物楽器全体をまとめたトラック、そしてストリングス全体をまとめたトラックにそれぞれ送って上げます。

それを、またそれぞれコンプレッサーのサイドチェーンに流し込んで、あげます。

これによって、ドラムが激しくなると、楽器全体の音量が下がるようになり、ドラムが楽器の音量にかき消されず、常にパンチのあるドラムが、聞こえるようになります。


4時20分


そして、ここまでやってきました↓

モノラルだからわかりにくいですよね。ごめんなさい。

この時点ではまだ空間系エフェクト(エコー、リバーブ、ディレイ)は全く使ってないです。 あ、スネアだけ使ってるかな。


 

ようやくこれでカラオケがほぼ完成かな。

ここでボーカルのミックスが始まるよ〜。


藤野櫻子用のプラグインセットは、もう雛形化してあるから、楽チン。 まずはそれを使って、全体の音量を揃えます。 ここからは根気の作業です。 音楽を流しながら、ボーカル、ストリングス、その他の音量を、全て手作業リアルタイムで書き込んでいきます。

動画がないので、今ひとつ意味が通じにくいですが、こちらの動画のように、音量のグラフが細かく波打っているように見えますが、これは全部手作業で書いていきます。


ここをきちんとやると、歌詞も聞こえやすく、そして演奏もドラマチックになりますね。


また、音楽もスピーカーだけでなく、イヤホンで聞いたり他のスピーカーで聞いたりしながら、どれで聞いても一番いい感じにまとめていきます。

既存曲を聴いて、市販の音のバランスと聴き比べたりしながら作業を進めます。

そして今は、6時25分。


ようやくミックスダウン終了!やった!↓↓↓


 

ちょっとお菓子とか食べて、小休止。

でもここからマスタートラックにプラグインをさして、一気にマスタリングしてしまいます。


7時10分

そしてようやく音源完成! 動画はモノラルになってますが、実際はステレオで結構な迫力!↓



はい!お疲れ様でした。

書き出し作業を除いて、ミックスダウンの実質作業は7時間でしたね。


 

ということで、このブログではミックスダウンのお話でした。 振り返ると、結局データの書き出しで、かなり時間使っているということが、自分自身でも再認識できました。 ここは、改善の余地ありですね。 この後の作業としては、藤野櫻子が、すでに自分で動画の撮影をしてくれていますので、その動画データとこの音源を使っての「動画編集」をしてYouTubeへのアップとなります。

ということで、前回と2回に渡ってYouTube動画での音楽制作の過程を、ご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?


曲の長さは3分24秒と、時間数だけ見たら、とても短いですね。

でも、正直私も藤野櫻子も、命削って作ってます!


この歌を作詞された山上路夫先生、そして作曲された馬飼野康二先生の想いが詰まっている作品を、受け継ぐ私たち後輩がいい加減に曲を扱っては、本当に失礼だと思っています。


同時に、こうしてカバー作品を作ると、先輩方がどういう思いで、どんな工夫をしながら作品を作っていったかが、とてもよく理解できます。


そういった精神を受け継げるというのは、本当に幸せなことですね。



今回の2つのブログを通じて、尾飛良幸が楽しんで作品作りをしていることが伝わっていましたら、嬉しいです。


さて、最後に今回完成した動画をこちらに貼っておきますね。

制作過程を知っていただいた上で、動画をみていただくと、今までとちょっと見え方が違って感じるかもしれませんね。



ぜひチャンネル登録してあげてくださいね。



ありがとうございました。

非常に長文の2つのブログに、お付き合いくださいまして、とても感謝しております。


これらの作業は、私も最初からできたわけではなく、様々な経験を通じて身につけたもので、まだまだ勉強しないといけないことがたくさんありますが、私が知っているノウハウを少しでもお渡しできてたら良いなと思っています。


それでは、お疲れ様でした〜。

寝ま〜す!



オリジナル曲が作りたい方は、こちらのページをご覧くださいね。



3月5日は尾飛良幸と藤野櫻子のオンラインライブです。

遊びにきてね。








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