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【歌い方検証「また君に恋している」】ここまで違うビリーバンバンと坂本冬美

更新日:2022年4月24日


今回のブログの内容は、こちら↑の動画で詳しくお話していいます。


※このブログで紹介しているメソッドは基本的に尾飛良幸オリジナルです。

 

歌には、3つ学ぶことがあります

1、技術力

2、表現力

3、心の統制力

このバランスが良いと、とても良い歌が歌えていることになりますね。


一般的に歌の練習というと「技術力」をイメージします。

姿勢、腹式呼吸、発声練習、高音の出し方、音程、リズムなどなどですね。


でも、いくら技術をたくさん練習しても「びっくりするくらい凄い上手ですね!」というところで止まります。


「感動しました!」にはなりません。

感動には「表現力」を使うことが必要なんですね。


 

表現力の練習で、一番最初にすることは「歌詞の意味の解釈」です。

自分が歌っている歌が、どんなお話を歌っているかを知らなくては、歌が伝わるはずがありません。


歌詞が理解できたら、言葉をどう「言う」かを練習します。

この辺りは、色々な練習方法がありますので、また紹介しますね。

過去ブログも、参考になさってみて下さい。


さて、今日は「表現力」の中の「技術」のお話です。

ここでいう「技術」とは、上記の「技術力」ではありません。

人に感動を与える「表現力」における「技術」のお話。



人が「あ〜」と声を出したときに、どの部分に「表情」を感じるでしょうか。

それは「歌い出し」と「語尾」なんです。

声を出し始めてからできることは、「ビブラート」と「音程の変化(しゃくり/フォール)」くらいしかありません。


「歌い出し」と「語尾」では、喉を締めて苦しそうに聞こえさせる「エッジボイス」と、吐息まじりにする「ハスキー」がありますね。


これらを複合的に使うことで、言葉にリアリティが出てきます。

下記の図に書いたように、どこにどのような音色を使うかは、そのシンガーの感性、つまりは普段の話し声や話し方に基づくことになります。


ここには、やはりそのシンガーの人生観が現れますよねえ。

だから、シンガーは色々辛い経験をたくさんすると、いい歌が歌えるようになるわけで、どうにも皮肉な仕事だなあと、いつも思うわけです。


 

今回は、特にこの「しゃくり/フォール」を、ビリーバンバンさんと坂本冬美さんの「また君に恋してる」を例に、中身を解析してみたいと思います。


しゃくりとは、音程が上がる時に、下から音程を「しゃくりあげる」ことを言います。

フォールは逆に、音程が下がるときに、上から下に音程を「ずり下げる」歌い方ですね。


まずは、元の歌を聞いてみましょう。

今回はサビの部分で解説しますので、特にサビの歌い方をよく聞いてて下さいね。


では最初は御本家ビリーバンバンさんの「また君に恋してる」


続いて、坂本冬美さんの「また君に恋してる」です。


 

いかがでしたか?

同じ曲なのに、それぞれの世界観が違う感じ、ご理解頂けましたか?


ここで大事なことをひとつ。

「どちらが良い。悪い」ではありません。


どちらも、とても良い歌ですよ。

タイプが違うだけです。

自分はどちらが好きか、であり、好きならそちらの歌い方を参考にして、練習すれば良いですね。

「こちらは嫌い!」と否定してしまえば、永遠にその「嫌い」と感じた歌い方を、習得することはできません。

それはシンガーとして、歌い方の幅を狭めるだけですので、あまりお勧めできるものではないと、私は思っています。


それぞれに、違いを理解し、それを全て受け止め、自分の中で吸収し、適材適所で使う。ということが大事ですね。


さて下に、それぞれの「音程」を図式化したものを載せますね。

上がビリーバンバンさん、下が坂本冬美さんです。


真ん中にピンクで「歌詞」を書きました。

黄色い四角に囲われた、細く青い線が音程を表していますので、この音程を解析します。


図にある記号は

・緑の四角:ビブラート

・青い丸:ビリーバンバンさんがしゃくらず、坂本冬美さんが、しゃくっている部分

(「よ」の部分は、上から音程を下げているので用語としては「フォール」になります)


この図を見ながら、もう一度、お二人の歌をよ〜く聴き比べてください。


 

いかがですか?

ビリーバンバンさんは、全く「しゃくり/フォール」がありません。

しかも、ほとんどビブラートもありません。


音の取り方が、とても教科書的です。

合唱的/クラシック的とも言えるかもしれません。


普通なら、非常に味気ない雰囲気にもなりかねない音の取り方ですが、全然そんな印象がありません。


逆に音符と言葉に、とても誠実に接している歌い方です。


このように「装飾」がないことで、ビリーバンバンさんの歌は「若さ」を感じます。

実は「ビブラート」や「しゃくり/フォール」を入れすぎると「こなれてる感」があり、純粋さが失われる可能性があります。


一般的には、しゃくりやフォール、ビブラートが多い方が「上手」と言われがちですが、この例でもわかるように、必ずしもそうとは限らないわけです。


若い時にヒットした歌手が、40代をすぎて同じ歌を歌った時に、どうも歌い方に年齢を感じてしまうことがあります。

これは、こなれてしまったことで歌の中に「ビブラート」や「しゃくり/フォール」を入れてしまったことによることが大きいです。


「昔の方が、快活でよかったのに!」というファンの声が聞こえてくるようなら、あえて「ビブラート」や「しゃくり/フォール」を抜くようにしてあげると良いと思います。


 

一方、坂本冬美さんの歌も、とても良いですよね。

しっとりとした世界観が、とても上手に演出されています。

これは坂本さんが「ビブラート」や「しゃくり/フォール」の使い方がとても上手な証拠です。


「また君に」の「に〜」では、バンバンさんより遅れて音程を上に引き上げています。

結果綺麗な「しゃくり」が生まれてますね。


このしゃくりは、やり方次第で「演歌風」と「ポップス風」に使い分けることができます。

坂本さんが、ここでポップス風のしゃくりにできているのは、しゃくりあげる速さが速いからです。

これを、ゆっくりしゃくりあげると、途端に歌が重たく感じて「演歌的」になります。


しゃくりを、目指す音程の少し下から、素早くやってあげるとポップス風。

目指す音程の五度〜1オクターブ下というかなり低い部分から、ゆったり引き上げると演歌風になります。


この使い分けを、坂本さんはとても上手に行っているので、「演歌歌手風なのに、このうたはとてもポップス感がある!」ということになっているわけです。

 

ということで、今回はかなり細かい部分での「表現力」のお話でした。

実は私たちシンガーは、こんな細部まで、かなり意識して表情のことを考えています。


ただ、音程通りに言葉を言っているのでは、ないんですね〜。


そんなことを、ちょっと頭に入れながら、もう一度お二人の歌を聞いてみて下さい。

非常に細かい部分まで、丁寧に丁寧に歌の世界観を作るように歌っていますよ。

そういう事を知ると、ますます歌の楽しさが広がっちゃうわけです。


ぜひご参考になさって下さい。


歌のレッスンにご興味ある方は、体験レッスンでお待ちしてますね。



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尾飛良幸の


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