※このブログで紹介しているメソッドは基本的に尾飛良幸オリジナルです。 歌のレッスンでは『口元に力を入れないでね〜』と、指導されることがあります。
この『口元の力』案件、意外と難しい問題だと私は思っているんですよ。
私が初めて「口元」に注目したのは、とあるレコーディングをしていた時でした。
その時のエンジニアさんが、なかなかうまく歌えない私を見て「口元の力を抜いてみたらどうですか?」と言ってくれたんです。
その時は、本当にびっくりしました。
なぜならこれまで色んな歌の練習をしてきた中に「口元の力」なんてメニューがなかったからです。
歌のレッスンといえば
・腹式呼吸
・発声練習
・歌い方
・リズム感
・音程
あたりが、もっぱらの私の練習でしたし、当時の先生からもそれだけしか習ってませんでした。
しかも「腹式呼吸ができれば、体の全ての力が抜ける」とまで思ってたので、それはそれは驚きの一言でしたよ。
さてここで、なぜ『口元の力』案件が意外と難しい問題と私が思っているか。
それは『ボイトレの先生によって、解釈が違う』から。
近年日本で「声」といえば「声優」さんが有名ですね。
声優さんの養成所にも、多くの若者が通っています。
他にも「声」では、「司会」「ナレーション」さらには「役者」ももちろんそうですね。
『話し方教室』もあり、多くの方がそういった分野で声の勉強をされています。
同様に、そこで使われる「メソッド」も、ネット上に無数に存在してます。
その動画などをみて、歌の練習に生かしている方も、またたくさんいます。
そこが問題と、私は思っています。
つまり、話し声のメソッドと歌声のメソッドは違う、と言うことです。
上げたら色々ありますが、今回は「口元」に絞ってみますね。
歌と話で、決定的に私が違うと思う点を上げてみますね。
・アナウンサーが言葉を言う速さは、歌で歌詞を歌う速さの倍の速さ
・アタックに力(アクセント)を入れると、歌は音程がブレてしまう
・歌は、子音は鋭く、母音は口をしっかり開けないと、言葉が聞こえない
・高い音、低い音など歌には音程がある
・自分の吸いたいところで、歌は息継ぎができない
などなど。
こんなにも違う点があるわけですから、当然同じメソッドを使ってはいけない部分があるわけですね。
その1つが「口元の力」と言うことになります。
歌では、絶対的に「唇の力はぬく」と言うことになります。
声優さんなどは「滑舌は唇の力をしっかり使う」と習うと言う話を聞いたことがあります。
それは当然です。短い時間に、たくさんの言葉を早く話さないといけないですから、唇の力を使わないと、できないですよ。
でも、歌はその逆。
すごく言葉はゆっくりなんですよ。
アナウンサーは、1分で300文字と言われていますが、
例えば米津玄師さんの「Lemon」では、4分の曲で609文字。
つまり1分あたり150文字しか、話してないんです。
試しに、普段の会話を半分の速さで話してみてください。
相当ゆっくりですよ!
だから、滑舌をよくする、と言う方法は当然違うわけですね。
特に「上唇」に力が入っていると、上手に歌が歌えません。
まず最初に、歌っているときに、自分の上唇に力が入っているかどうかを、確認してみてください。
そして上唇の脱力が、一番簡単にできる練習は「触ってマッサージ」
動画で言うとこんな感じです
簡単な練習でしょ。
でも、唇に力入っている人は、これで歌の結構難しいと言いますよ。
「今まで見たいな発音ができない」と感じるようです。
そう、歌での発音は、話し声の発音とは違うからね。
と言うことで、長くなりましたが、こんなちょっとした練習でも、歌が楽になりますから、ぜひ試して見てくださいね。
自分の歌声が、どんななのかを知りたい方は「ボーカルクリニック」お申し込みくださいね。
8月8日は尾飛良幸のライブです。
聞きにきてね。
尾飛良幸の
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